最終更新日:2024/12/22 掲載店舗数:18
岡山県は中国地方の南東部に位置します。ロケーションを見ると、東隣には兵庫県、西側は広島県、南は瀬戸内海に面しており、対岸側に香川県が広がっています。そして北側は鳥取県につながっています。
二十七ある市長村のうち、県庁が所在する岡山市(70万人)と倉敷市(47万人)に半分以上の人口が集中しています。そして、2005年に人口は195万人に達しピークを迎えるも、その後は減少傾向に転じています。それでも、東日本大震災以降、他県からの転入者が増加しています。希望地域でも全国で上位にランキングされるなど、そこそこの健闘はしているとみて良いでしょう。
瀬戸内海に面しているので、北部の中国山地沿いを除き、典型的な瀬戸内海式気候に恵まれ、温暖で雨も少ない穏やかな気候です。農作物を見てみるとブドウや桃が有名で、全体の出荷量は4位、6位といったものですが、品種で見ていくと全国トップクラスのものもあり、名産品となっている品種も少なくありません。
また沿岸漁業もむかしから行われており、サワラやメバル、イイダコなどの中型魚がとれる漁業を築いてきました。特にサワラやタコは有名で、サワラが入ったばら寿しは名物となっています。
南地区は、現在地方都市の中でも成長が期待される地区となっています。広島市が中国地方第一の都市であり、第二第三の都市である岡山市と倉敷市は並んでいるからです。この地区は人口増も期待されています。『三井アウトレットパーク』と『アリオ倉敷』が出来、駅ビル以外に中央資本が入ったことで、第三次産業を中心とした発展に期待が集まっています。
岡山の訛りは広島弁と共通するところが多くみられます。中国地方の方言としての共通点が多く見られるからです。
よく誤解されている方もいるようですが、岡山弁は関西弁の流れをくむ言葉ではありません。兵庫県(南東部)のほとんどが関西弁ですから、岡山も関西訛りがなんとなく聞こえてくるのではないかという気もしますが、関西の訛りはないと考えて良いようです。
岡山と兵庫の境界が中国地方と近畿地方の境目と合致しています。兵庫までが近畿地方であり、そこから西は中国地方になリますが、隣の広島の言葉のインパクトが強く、岡山弁自体が忘れられている状態と言えば良いでしょうか。
アクセントは東京式に分類されるといわれています。ですから岡山弁を聞いていると、言葉は違いますが、どことなく標準語に近い感じがします。ただし、倉敷市の一部の地域では京阪式アクセントが使われている場合があるようです。さらに言うと、地域によっては東京式と京阪式の間のようなアクセントを使う地域もあります。
岡山弁の特徴として、単語の中に母音が重なる箇所があると、重なった母音が変化して使われることがあげられます。たとえば「あいつ」は「えーつ」となります。つまり「 ai 」は「 e?」となるわけです。同様に「ながい」は「ナゲー」と変化します。
また「しまう」は「しもう」(au は ou )に、「言う」は「いーう」(iu は yu? )に、「掃除」は「そーじ」(ou は o?)に変化します。
また、引き伸ばして使う言葉がみられます。代表的なものは「てー」と「らー」です。「就職したんじゃてー」「よー遊んじょーらー」という具合です。
このような特徴は岡山弁のごく一部の特徴ですが、岡山の言葉は、ある意味で広島よりインパクトが強かったりします。岡山弁を聞いてどこの方言か分かるのは、中国地方の人でなければ少ないのはないでしょうか。
グルメはこれといったものがないと言われていますが、そんなことはありません。サワラを使ったばら寿しは、やはり有名な郷土料理ですし、ぶっかけうどんは、倉敷が発祥の地であることはあまり知られていません。
ばら寿しがおいしいところを紹介すると、倉敷にある『大正亭』、岡山駅ビル2Fということで入りやすい『吾妻寿司』が良いのではないでしょうか。
倉敷でなぜばら寿しが発展したかと言うと、備前岡山藩藩主の池田光政が、「一汁一菜令」を布告したことが始まりと言われています。池田光政は質素倹約を奨励し、庶民のぜいたくを禁じました。でもばら寿しなら、汁物以外に副食を一品に制限されても、その制限のなかでいろいろなモノを楽しめます。ウソかどうかはわかりませんが、これはありそうな話です。
ぶっかけうどんは『倉敷うどん ぶっかけ ふるいち』がおすすめです。このほかにも、焼き鳥の『高田屋』(倉敷・美観地区)、軽食喫茶・カレーの『三宅屋』(倉敷・酒津)、ドミグラスソース・カツ丼で有名な『味司 野村』などが有名です。
観光は、まず花見シーズンに間に合うなら、「津山城・鶴山公園」(JR津山駅下車)を見ておくと良いでしょう。ここ桜は「桜の名所100選」にも選ばれています。また秋から冬に訪れるなら備中「松山城」もおすすめです(JR伯備線備中高梁駅)。ここは日本一標高の高い山城のため、季節になると雲海がかかることでも知られています。かりに雲海が見られなくても、晩秋にかけて紅葉を楽しめます。
岡山市に戻ると、押さえておきたいのが庭園めぐりです。岡山藩二代藩主池田綱政が作らせた「岡山後楽園」、旧足守藩主・木下家の庭園で知られる「近水園」がおすすめです。このほかにも庭園がいくつも点在しています。その中には、「深水イギリス庭園」という、イギリス人庭園技師のピーター・サーマン氏の基本設計を依頼したものもあります。また深水まで来たら、約7000本の桜と、梅、椿、ツツジ、モミジなど15万本を植栽する「みやま公園」も見ておくべきです。
倉敷に足をのばすと、有名な倉敷美観地区があり、“白壁の街”としてその名を知られています。美観地区周辺はグルメ観光スポットも多く、散策するのに適しています。実際歩くとエリア自体は小さいのですが、倉敷観光には外せない場所です。
また、草木染めの「のれん」で知られている「勝山町並み保存地区」もぜひ行ってみたい町並みです(JR姫新線中国勝山駅)。ここにある「ひのき草木染織工房」は、オリジナルな「のれん」、「タペテストリー」を購入できます。電話でも注文できますが、実際にギャラリーにてオーダー製作もできますので、好きな人にはおすすめしたい工房です。
このほかにも勝山には、国指定の名勝、県立自然公園などに指定された「神庭の滝自然公園」も見どころなっています。
なお、名産のブドウや桃が、採って食べられる果樹園、直売場などもあります。またワインバーや無農薬・有機栽培のワインのみを扱う店も出てきています。
『三井アウトレットパーク 倉敷』は、中国地方最大級のアウトレットモールとして2011年12月にオープンしました。
特徴はやはり“中国地方最大級のアウトレットモール”となりますが、大型複合商業施設『アリオ倉敷』も先行して併設されているため、アウトレット業態だけではなく一般のショップでも同時にショッピングを楽しめることも大きな魅力です。倉敷という立地から、四国や隣県の福山市からの集客も見込めるはずですから、今後ますます客数は増えていくはずです。
もちろん、旅行者も良き利用者になることが期待されます。JR倉敷駅にも直結しているため、移動手段に車を使っていない方にも利用しやすいのです。実際、下手に遠方に出向くより、ここでじっくり時間を潰すほうが疲れなくて良いと言う声も聞こえてきます。土日は混み合いますが、平日はゆったりできるので本当におすすめです。
ちなみに食事ですが、『三井アウトレットパーク 倉敷』にはカフェや軽い食事がとれるところはありますが、しっかり食べるところはありません。ですから、しっかり・がっつり食べたいなら『アリオ倉敷』のフードコート、もしくはその食事処がおすすめです。『三井アウトレットパーク』と『アリオ倉敷』や屋根付きの通路で結ばれていますので雨が降っていても大丈夫です。
それでもダメなら、倉敷駅を南口方面に抜けると美観地区に歩いてすぐつきます。美観地区まで行くと、どこか休むところが見つかるはずですし、周辺を散策しても良いでしょう。いずれにしても『三井アウトレットパーク 倉敷』が出来たことで、倉敷駅周辺の観光にも幅がうまれたと言えそうです。